ACT(AmericanCollegeTestingProgram)

※本用語の解説は1992年に作成されたものです。

ACTテスト(正確にはACT評価プログラム)は,非営利の民間テスト機関であるアメリカ大学テスト協会(ACT)が実施するテストで,大学入学者選抜や進路指導の資料として使われている。受験者数は年間延べ100万人以上,アメリカ国内では年間5回,国外では年間4回実施されている。同様なテストとして,教育テストサービス(ETS)の実施する進学適性検査(SAT)がある。入学志願者に,特定又は任意の一方の受験を要求する大学が大多数である。ACTテストは,「全国的視野に立った教育的見地からみた学習達成度の評価」及び「大学教育における成功の予測」を目標として,一般学カテスト,人物像調査,興味調査から構成されている。受験者は申し込みの際に人物像調査,興味調査に回答して志願票とともに郵送し,一般学力テストだけを試験場で受験する。―般学力テストの内容は1989年10月のテストから変更され,名称がACT増補評価プログラム(EnhancedACTAssessmentProgram)となった。新しい学力テストは,英語,数学,読解,科学的推論に関する4つのテストから構成されており,各テストとも多肢選択方式である。
英語は意味や文の区切りを理解し,状況に応じた表現力と適切な書き取り能力を測定するため,文法,句読点,文章構造,語法と文体の各領域から計75問出題される(45分)。数学は,基本的な操作技術,応用力,分析力を測定するため,代数,幾何,三角関数等から60問出題される(60分)。また,読解に関するテストでは,文章の内容理解,内容に関する結論,比較,一般化に関する能力を測定するため,散文小説,人文社会や自然科学に関する話題について40問出題される(35分)。科学的推論に関するテストでは,提供された情報の基本的な特徴とそれに関連した概念の認識や理解あるいはその情報から結論を導き出すための論理的思考力を測定するため40問が出題される(35分)。
一般学力テスト,人物像調査,興味調査の結果等は総合して,出願大学に関するきめ細かい情報とともに受験者に通知される。また,同様な情報が高校及び出願大学にも通知される。また,希望があれば,調査・研究サービスの一貫として,出願者の集計結果が大学へ提供される。